京都市　中京区、なかい耳鼻咽喉科院長　中井　茂です。

　いよいよ9月に入りました。

日中は相変わらずの猛暑ですが、朝夕は少し秋らしさが感じられるようになってきましたね。

季節の変わり目は寒暖の差が大きく体調を崩しやすい時です。

鼻風邪、のど風邪に注意しましょう。

ところでこの数日、急に鼻水・くしゃみの患者さんが増えてきました。

症状はスギ花粉症と全く同じ・・・

ズバリ、これは秋の花粉症、原因はブタクサです。

ブタクサはキク科の風媒花（風が花粉を運ぶ花）で、花粉の抗原性はきわめて強く、1961年に日本で最初の花粉症として報告されました。

北アメリカ原産の帰化植物です。

秋の花粉症の原因となることが多いキク科の植物はいずれも背が低いため、花粉の飛散はスギやヒノキと違い、広く遠くには飛びません。

ブタクサは河原の整備などにより近年衰退の傾向だそうで、以前のような大繁茂は影をひそめていますがまだまだ注意が必要です。

治療は花粉症の内服薬や鼻スプレーを用いますが、原因植物が生えている河原や公園近くには近寄らない事が大切です。

近くに原因植物がある時はマスクやメガネの着用など心掛けましょう。
 

　ブタクサ花粉症の人はメロン、スイカ、キュウリ、バナナなどを食べると、口のまわりやのどがかゆくなったり、目が腫れるなどの過敏反応（口腔アレルギー症候群、食物アレルギー反応）を併せ持つ人が多いことも知られています。

このような症状をお持ちの方はそれらを食べた時にショック症状を引き起こす心配もありますから、受診されて採血によるきちんとした診断を受け、ご自分が何に対してアレルギーがあるのか確認しておくことをお勧めします。