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ヒブワクチン・小児肺炎球菌ワクチン・子宮頸がん予防ワクチン

2011/02/23 【お知らせ】

京都市中京区 なかい耳鼻咽喉科院長、中井 茂です。

皆さん既にご存知だと思いますが、平成23年1月から京都で「ヒブワクチン」・「小児肺炎球菌ワクチン」の予防接種が公費化されました。 

当院でも診察の際に小さなお子さんを持つお母さん方から多数の問い合わせを頂き、2月からは既に何名かの子供さんに接種してきました。

今まで皆さんに広くお知らせはしておりませんでしたが、接種予約の体制が整いましたのでご希望の方はお気軽にお問い合わせ下さい。

ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンとも重篤な感染症である髄膜炎の予防が期待でき、接種が望ましいことは明らかです。

しかし僕が耳鼻咽喉科医の立場から接種をお勧めするのには実はまた別の理由もあるのです。

ヒブワクチンにより予防できる「インフルエンザ菌b型」は、急激な呼吸困難を引き起こし窒息の危険性が高い喉の炎症、「急性喉頭蓋炎」の原因菌でもあります。

喉頭蓋炎3.jpg

↑急性喉頭蓋炎・・・喉頭が炎症によって腫れて、のどがふさがって息が出来ません。

                                                                                                 子供がひどい喉の風邪を引いた時に起こる事がある、このとても恐ろしい喉の炎症も「ヒブワクチン」の接種により予防が可能なのです。

 

また現在、乳幼児期の耐性肺炎球菌による「難治性中耳炎」の治療が大きな問題となっています。

現在使用することのできる「小児肺炎球菌ワクチン」は、中耳炎を引き起こす肺炎球菌のすべての型に予防効果を持つわけではありませんが、海外からの報告では乳幼児に接種することで中耳炎の発症が減少することが明らかにされています。

これにより抗生物質の使用量減少につながり、地域における耐性菌減少に大きな意味があるのです。

 

もうひとつ、同様に1月から公費化された「子宮頸がん予防ワクチン」

公費の対象は、接種開始の時点での年齢が中学1年生から高校1年生の女子となります。

これまでにも受診の際に問い合わせをいただいた方には接種を行ってまいりました。

45歳程までの女性に接種が推奨されています。

接種には予約が必要ですのでご希望の方はお問い合わせくださいね。

このワクチンは「パピローマウイルス」の感染を予防するものです。

ご存じの通り、子宮頸がんの予防にとても大切なワクチンであり、耳鼻咽喉科とは縁が薄い様に思われるかもしれませんね。

しかし、この「パピローマウイルス」にはいくつかのタイプがあって、その中には咽頭がんや喉頭がんを引き起こすタイプがあることが従来から知られており、長年大学病院で頭頸部がんの治療に携わってきた僕にとってはとても憎いウイルスなのです。

今回接種が一部公費化されたワクチンの適用は子宮頸がんの予防だけですが、今後この様ながん予防ワクチンがさらに広く普及していくことを心から願っています。 


なかい耳鼻咽喉科 耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科・アレルギー科

院長 中井 茂(なかい しげる)

院長 中井 茂(なかい しげる)

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